Local Stories and Daily Life from Nagoya
昭和区白金に鎮座する巨大な犬の正体

新堀川沿いから少し東に入った、
昭和区白金の住宅街。
若葉児童遊園地。
なんとも夢のありそうでローカルな名前だ。
その公園の奥に、
何かいる。
えっ?
思わず足を止める。
もう一度見る。
やっぱり何かいる。

木の向こうから、
顔だけが見えている。
犬?
いや、
そんなわけない。
少し近づく。
やっぱり犬だった。
しかも、
巨大な犬だった。


最初は笑うしかない。
でも近づくと、
意外にホラーだ。
口を開けたまま、
じっとこちらを見ている。

近くに住む人に聞くと、
「昔からいるよ」
と笑う。
子どもの頃からいるらしく、今では日常の景色。
「春は、桜が咲いて写真映えするよ」
と笑って教えてくれた。
「でも、せめて滑り台にしてよと」少し苦笑い。

実はこの犬、
消防団の詰所だ。
昭和61年3月24日に建てられ、
子どもたちに消防団を身近に感じてもらえるよう、
公園に合うブルドック型の形として計画されたという。


当時の議事録には、
川名近くにある桑山美術館を参考にした
記録も残っているとのこと。
どうも狙いは、ヨーロッパの古城を彷彿とさせる建物
だったと推測されるらしい。
巨大な犬を見上げながら聞く話としては、
なかなか情報量が多い。
もちろん今も現役で使われていて、
災害時には地域防災の拠点にもなる。

眺めていると、
どの時代にも、
よじ登って怒られた子がいたんだろうとか、
口の中にわざとはさまれた子もいたんだろうとか、
そんなことを想像してしまう。
40年近く。
気づけば、
犬の方がこの街をよく知っているのかもしれない。
今日も公園の奥で、
何も言わずに座っている。
若葉児童遊園地 〒466-0059 愛知県名古屋市昭和区福江2丁目8−8