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あいち銭湯資料館 ー 鶴舞に残る銭湯の記憶

愛知県名古屋市・鶴舞にある「あいち銭湯資料館」。
愛知の銭湯文化や歴史が静かに残っている場所。

たぶん、普通に歩いていたら気づかない。

「えっ、ここ?」ってなる。

資料館っぽさは、あまりない。
むしろ、ちょっと控えめな佇まい。

建物の2階。
しかも、組合の中。

少しだけ、スピークイージーみたいな空気。

見つけたときに、ちょっとだけ嬉しくなる。

扉を開けると、レトロな靴箱や傘立てがお出迎え。
ここにあるものは、どれも実際に銭湯で
使われていたもの。

急な階段を上がって、「ゆ」の暖簾をくぐると、
畳の部屋が広がる。

入口のすぐ横には、番台。

これもどこかの銭湯から来たものらしい。

石鹸とか、使われなくなった設備とか、
当事者からすれば、ただの残り物。

でもそれは、文化財みたいなもの。
懐かしい思い出と結びついてるもの。

ここに並んでいるのは、
そういう時間のかけらたちだ。

ふと、思い出す。

風呂あがりに飲んだ、
冷たいコーヒー牛乳の味。

背伸びして測った身長。
みんなで乗った体重計。

銭湯に行くことが、
ただ楽しみだった頃のこと。

たぶん、誰の中にもある、そういう時間。

きれいに残したというより、
結果的に残っているもの。

ここには、昭和のマッサージ機もそのままある。

10円で3分。
まだまだ現役。

展示というより、
普通に使える。

あの頃の延長みたいな場所。

今のスーパー銭湯は、どちらかというとレジャー。

でも銭湯は、生活だ。

風呂に入る場所であり、
顔を合わせる場所であり、
人が行き交う場所でもあった。

この街の銭湯たちも、そうやって続いてきた。

ただ、銭湯を続けるのは簡単じゃない。
それはなんとなくわかる。

それでも、工夫しながら、
楽しいことをやりながら、続いている銭湯が今もある。

派手ではないけど、
ちゃんと地域とつながっている。

愛知の銭湯の記憶と、
その奥にある生活の空気。

あいち銭湯資料館は、
それを静かに残している場所。


あいち銭湯資料館 〒460-0012 愛知県名古屋市中区千代田三丁目9-14

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T.hori

名古屋生まれ。 メルボルン、マニラを経て、約20年ぶりに地元へリターン。 街も、自分も、すこし変わっていて。 いまは、ローカルな手触りを探しているところ。 Tewatashi Projectでは、個人的で普遍的な地元の日常を、そっと切りとりたいです。

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