名古屋の街を、そっと記録する。

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Culture

ずっとそのままの駄菓子屋「つねかわ」

いつ行っても、
そっと同じ景色が迎えてくれる。

名古屋市北区・上飯田にある
駄菓子屋「つねかわ」。

交通量の多い国道19号線、
矢田川を渡る手前。
車の波の中に、ぽつんと現れる。

「こんなところにあった?」と、
近郊に住んでいる人でさえ、
ある日ふと通りかかって驚くという。

そんな話を、お母さんは本当に楽しそうに、
やわらかく笑いながら語ってくれた。

青いテントに「お好み焼・やきそば つねかわ」と書かれた店舗外観。赤い自販機とのコントラストが印象的な、名古屋市北区上飯田の駄菓子屋・鉄板焼き屋。

創業は1975年。

もうすぐ半世紀を迎える、
駄菓子と鉄板焼きの店だ。

メディアやYouTubeでもたびたび紹介される
“ノスタルジーの聖地”だけど、
実際に足を踏み入れると、
映像では伝わらない空気がある。

駄菓子の甘い香りと、鉄板の焦げる匂い。

あの頃の駄菓子屋の空気がそのまま残っている。
小さいころ、土曜の昼に
小銭を握りしめて通ったような
記憶がふっとよみがえる。

今でも、そんな風景が名古屋のどこかに
こうやって残っていることがうれしい。

駄菓子屋「つねかわ」の店内で鉄板を前に調理するお母さん。壁には長年の手書きメニューが残り、時代の積み重ねを感じる。

お母さんはとにかく明るくて、
声をかけると笑って返してくれる。

「はいよー!」「おおきに!」と、
軽やかに言葉が返ってくる。

それだけで、店の中が明るくなる。

駄菓子屋「つねかわ」で提供される玉せんのクローズアップ。えびせんの間に挟まれた卵とソースの香ばしさが漂う。


焼きそばやお好み焼き、
名古屋のB級グルメ「玉せん」など、
鉄板の上では今日も変わらぬ音が響く。
マヨネーズなしのソースだけ ——
それだけなのに、思わず“うまっ”と声が出る。

「つねかわ」名物スナックロールの調理風景。うまい棒を卵でくるりと包み、鉄板の上で焼き上げる手元の様子。


そしてもうひとつの名物が「スナックロール」。
最初、名前が思い出せずにいると、
お母さんが笑いながら「スナックロールね!」
と教えてくれた。

「うちはね、スナックロールが有名だよ!」

卵をくるりと巻いて仕上げてくれる。
好きな味のうまい棒を選んで渡すと、
卵のやさしさとうまい棒の塩気が、
なんともいえない一体感で口に広がる。

しっとりとした食感と、
懐かしさの匂いが、
少し笑えるほど心地よい。

名古屋市北区上飯田の駄菓子屋「つねかわ」で、スナックロールを焼くお母さんと、それを楽しそうに頬張る子どもたち。店内には手書きのメニューが並び、昭和の空気が漂う。

「つねかわ」にあるのは、
長い時間の中で磨かれてきた、
人と人とのやりとりと、
この名古屋の地区のやさしさ。

誰かの手から次の手へ、
静かに受け継がれていく、
語り継がれていく“まちの記憶”がここにある。

駄菓子屋が地元にあるって、
やっぱりいい。

そんな当たり前のことを、
静かに思い出させてくれる場所だった。


つねかわ   愛知県名古屋市北区上飯田東町1-37

  • 記事を書いたライター
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T.hori

名古屋生まれ。 メルボルン、マニラを経て、約20年ぶりに地元へリターン。 街も、自分も、すこし変わっていて。 いまは、ローカルな手触りを探しているところ。 Tewatashi Projectでは、個人的で普遍的な地元の日常を、そっと切りとりたいです。

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