名古屋の街を、そっと記録する。

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もり川のみそかつ鍋 ー これぞ名古屋の味

名古屋・千種区の住宅街。
古出来町交差点の少し奥。

みそかつ鍋で知られる、「もり川」。

ふと現れる、アパートの一階の小さな店。

名古屋市千種区 もり川 店前に並ぶ人と外観の風景
名古屋市千種区 もり川 店頭に並ぶ定食メニュー

カウンターが7席ほど。
決して広くはないのに、いつも満員。
並ぶのは、ほぼ確定だ。

長く有名店で腕を振るってきた大将が、
数年前に始めたという店。

だからか、その空気には最初から厚みがある。

すでに、“老舗の気配”がある。

名物は、みそかつ鍋。

いわゆる観光の名古屋めしとは少し違う、
隠れた地元の一皿、という感じだろうか。

浅めの土鍋で、ぐつぐつと煮える八丁味噌。
濃くて、重くて、それでも箸が止まらない。

名古屋市千種区 もり川 味噌かつ鍋を箸で持ち上げる様子

「でら名古屋感」なんて言葉が、
そのまま形になったような一品。

カツは味噌をしっかりまとって、
白米を呼び込む。

名古屋市千種区 もり川 名物の味噌かつ鍋

そして途中で、味噌まみれの卵。

鍋からそっとすくって、
そのままご飯の上へ。

一気にやわらぐ味噌と、
白米とのあいだにできるバランス。

これはもう、説明いらない。

「でらうまい」

名古屋市千種区 もり川 味噌かつ鍋のたまごをご飯にのせる様子

そんな一言が、自然に出る。

これで800円。
少し拍子抜けするくらいの、素朴な幸せ。

付いてくる赤だしもいい。
くずくずに煮た赤味噌の感じ。
みそ鍋に、赤だしの黄金コンビだ。

カウンターの向こうには、
愚直でやさしそうな大将と、奥さま。

多くを語らないけれど、
この味と、この空気が、すべてを伝えている。

気づけば、また来ている。

とりつかれたように、
ぐつぐつの味噌を求めて、また列に並ぶのだ。


もり川
住所: 〒464-0084 愛知県名古屋市千種区松軒2丁目4

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T.hori

名古屋生まれ。 メルボルン、マニラを経て、約20年ぶりに地元へリターン。 街も、自分も、すこし変わっていて。 いまは、ローカルな手触りを探しているところ。 Tewatashi Projectでは、個人的で普遍的な地元の日常を、そっと切りとりたいです。

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