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カルチャー

布池教会と、それなりにいつものクリスマス

小雨まじりで、少しだけ暖かな
2025年のクリスマスイブ。

名古屋の街を歩きながら、
布池教会へ向かった。

カトリックの家で育ったけれど、
信仰が生活の中心にあったわけじゃない。
クリスマスイブに教会へ行くのは、
特別なイベントというより、
季節が来たらそうするもの、
くらいの距離感だった。


正直、小さい頃から
どこか変な恥ずかしさもあった。
教会に行くとか、カトリックだとか、
わざわざ言うほどのことでもないし、
説明するのも少し気が引けるし、照れくさい。

宗教の話は、日本ではあまりしないから。

カトリックだというと、
「映画みたいだね」とか
「ちょっと珍しいね」と
言われることもある。

それがなんだか面白くて、
少しだけうれしかったりもする。

中学を接業してからは、
教会と離れたクリスマスを過ごすことのほうが多かった。

海外で、夏のクリスマスにBBQをして、「こっちのほうが最高じゃん」と思ったり。

あの頃は
どんなクリスマスが正解なんだろうって、
どこかで比べていた気がする。


クリスマスイブのミサには、
信者じゃない人もたくさん集まっている。

たぶん、初詣みたいな感覚なんだと思う。
興味はあるけど、ちょっと入りづらい。そんな感じ。

それを見ながら、
「もっと気楽に来られたらいいのにな」と、ふと思う。

宗教とか信仰とか、
もう少し“入口ゆるめ”でもいいんだよ。。

もうちょっと運営的に…..

……いや、これ、完全にビジネス脳か。
運営とか言い出したら、もう違うなって思って、ひとりで少し笑った。

大人になって、家族ができて、
子どもを連れて久しぶりに教会へ行くと、
妙に落ち着く。
妙に安心する。

お寺に行ったとき、
日本人がなんとなく感じるあの感覚。
あれと、たぶん同じだ。

振り香炉から漂う
フランキンセンスの香りが好きだ。
聖堂に広がる、どこでも共通した匂い。

教会も、お寺も、
ゆっくり心を落ち着かせる場所という意味では、よく似ている。


派手じゃないけれど、
心を少し整えてくれる時間が、そこにある。

人それぞれのクリスマスがあって、
それぞれの過ごし方がある。

こんなふうに、
静かにクリスマスを迎えられることに
感謝しながら。

名古屋の、あるカトリック信者の
ごく個人的なクリスマスの記憶を、
ここにそっと置いておく。


布池教会 愛知県名古屋市東区葵1丁目12−23

  • 記事を書いたライター
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T.hori

名古屋生まれ。 メルボルン、マニラを経て、約20年ぶりに地元へリターン。 街も、自分も、すこし変わっていて。 いまは、ローカルな手触りを探しているところ。 Tewatashi Projectでは、個人的で普遍的な地元の日常を、そっと切りとりたいです。

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